懲戒解雇をする場合のポイント
投稿日時 2013年09月20日 | カテゴリ: メルマガ
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おはようございます。
社会保険労務士の杉山 加奈子です。
今日は、「懲戒解雇をするときの留意点」をテーマにお話させていただきます。
とんでもないことをやらかした従業員を懲戒解雇したいんですけど、ちょっと相談に乗ってもらえませんか?
事業主の方から、こういった質問をよく受けます。
従業員の過失によって、会社が大きな損害を被ってしまった。あろうことか、従業員はその過失を隠ぺいしようとしていた。反省の色が全く見えない。他の従業員の手前、厳正な処置を取りたい。
こういった類のものが圧倒的に多いです。
解雇は、「客観的で合理的な理由」がないと解雇権の濫用として解雇が無効となります。
また、懲戒解雇をするには、就業規則に定められている懲戒解雇事由に該当していることが必要です。
会社は、就業規則の記載を根拠に、解雇することができるのです。
解雇する場合は、たとえ本人に非がある懲戒解雇でも30日前に解雇予告するか、もし即時解雇するのであれば、30日分の解雇予告手当を支払わなければなりません。
多くの事業主の方は、不届き者にびた一文払いたくない!と思われるでしょう。
労働基準監督署長から解雇理由が解雇予告の除外事由に該当するという認定(除外認定)を受けることで、解雇予告手当の支払いをすることなく即時解雇することができますが、労働者の責めに帰すべき事由に限られます。
「労働者の責に帰すべき事由」とは、横領や犯罪行為など極めて悪質なものに限られ、従業員の業務上の過失が認められることはあまり考えられないです。
とは言え、何とかしてお金のかからない解雇の仕方を模索したいところです。
では、最後の1手として、以下のようなもっていき方はいかがでしょうか?
「本来だったら、懲戒解雇に該当するが、もし君に少しでも自分に非があることを認めるのであれば、本日付で退職届を受け取ることもやぶさかではないよ。退職届を反省の意と解し、懲戒解雇は撤回してもいい。どうするか選択は君に任せるよ。」
といって予め用意していた退職届に日付を記入してもらい、署名・捺印してもらうのです。
この状況下で提出した退職届は、後になって、錯誤だから無効だ!と裁判で反論されると厳しいのかもしれませんが、労働基準監督署に解雇予告手当の申請に行っても、退職届を提出している以上、解雇とは言い難いし、対応してもらうことは難しいでしょう。
労働者からすれば、ぐうの音もでない、ある意味卑劣な行為に思われてしまうかもしれませんが、テクニックの1つとして、頭の片隅に入れておかれても損はないかと思います。
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編集後記 ●
懲戒解雇は、就業規則の記載事由に当てはまるからといって、当然に有効になるわけではありません。ただ、懲戒解雇するためには、そのための根拠が必要になってくるので、その根拠を就業規則に記載するのです。
懲戒解雇事由は、想定されるありとあらゆるものを、これでもかというぐらい具体的に細かく記載しているのが今の規定のトレンドのようで、逆にそこまでしないとなかなか懲戒解雇を正当化できるだけの根拠とならないのでしょうね。
懲戒事由が大まかに10項目ぐらいしか記載されていないような就業規則は要注意です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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